文芸評論家=山崎行太郎のブログ『毒蛇山荘日記』

文芸評論家。哲学者。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。東工大、埼玉大学教員を経て現職。著書=『小林秀雄とベルグソン』『小説三島由紀夫事件』『保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』『曽野綾子大批判 』『エセ保守が日本を滅ぼす 』『最高裁の罠 』など。『マルクスとエンゲルス』を「月刊日本」に連載中。近刊予定に『小説・南洲伝』『 小林秀雄とマルクス』『毒蛇山荘日記(1 ) 』など。

2019-05-10から1日間の記事一覧

『南洲伝』覚書(9)ー明治天皇と西郷南洲。 江藤淳は、『南洲残影』で、西郷の全的滅亡を、「 歌」を中心軸に描いている。たとえば、軍隊の行進曲「 抜刀隊」の歌、「 孝女白菊の歌」、「 一かけ、二かけ 、三かけて」という童歌。それらに勝海舟の「 城山 」という薩摩琵琶歌を加えてもよい。不思議なことに、いづれも西郷の全的滅亡を、哀愁を込めて歌っている。軍隊から庶民、婦女子、幼児まで、近代の日本国民の多くは、「逆賊 」である西郷の悲劇を歌ってきたと言っていい。そこに、江藤淳は注目する。何故か。おそらく、歴史

・・・・・・・・ 『南洲伝』覚書(9)ー明治天皇と西郷南洲。江藤淳は、『南洲残影』で、西郷の全的滅亡を、「 歌」を中心軸に描いている。たとえば、軍隊の行進曲「 抜刀隊」の歌、「 孝女白菊の歌」、「 一かけ、二かけ 、三かけて」という童歌。それらに勝…