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山崎行太郎ブログ『毒蛇山荘日記』

哲学者、文芸評論家。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。元・東工大講師、元・埼玉大学講師。著書=『小林秀雄とベルグソン』『小説三島由紀夫事件』『それでも私は小沢一郎を断固支持する』『保守論壇亡国論』など。『マルクスとエンゲルス』を「月刊日本」に連載中。近刊予定に『ネット右翼亡国論』『佐藤優対談集』『柄谷行人とヘーゲルとマルクス』など。緊急連絡(レポート)は、メールフォームからお願いします。➡︎https://ws.formzu.net/fgen/S49964599

佐藤優論ー「労働力の商品化」とは何か?

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◼️佐藤優マルクス(2)ー「労働力の商品化」とは何か?

佐藤優は、マルクス主義経済学が「政治革命のために・・・」という政治的イデオロギーを中心に『資本論』を読むのに対して、マルクス経済学は、純粋に資本主義経済を「内在的論理」で分析解明するために『資本論』を読んでいく、と主張する。具体的に言えば、宇野弘蔵の『資本論』研究が、マルクス経済学である。佐藤優は、浦和高校時代に、宇野弘蔵の弟子筋の鎌倉孝夫の「『資本論』読書会」に参加し、『資本論』の読み方の手ほどきを受けている。言い換えれば、佐藤優の『資本論』読解は、高校生時代から始まっており、かなり本格的で、筋金入りである。さて、では、宇野理論の特徴は何か。宇野は、『資本論』と革命運動や革命理論とを切り離し、純粋に資本主義経済の分析理論として『資本論』を読んだ結果、『資本論』の中心的テーマは「労働力の商品化」理論にあると考える。もちろん、宇野弘蔵鎌倉孝夫の流れで『資本論』を読む佐藤優も、この「労働力商品化論」を重視しながら『資本論』を読み解いていく。余談だが、佐藤優は『21世紀の資本論』で売れっ子になったフランスの経済学者・ピケテイと対談しているが、ピケテイが、マルクスの「労働力の商品化」をまったく理解していないと批判している。あるいは、柄谷行人の『資本論』の読み方は、「労働力の商品化」論ではなく、「価値形態論」を重視する。佐藤優柄谷行人の差異は、「労働力商品化論」と「価値形態論」の差異であると言えるかもしれない。さて、宇野弘蔵佐藤優が、マルクスの『資本論』の本質であると考える「労働力の商品化」とは何か。簡単に言うと、何も売るものがない労働者が、労働力という商品を売り、その見返りに賃金を得るということである。つまり資本主義経済社会のシステムは、労働者(会社員、サラリーマン)が、この労働力という商品を売り、賃金を得て生活するというシステムで成り立つ社会である。要するに、資本主義は、この「賃労働者の誕生」によって成立する、とマルクスの『資本論』は分析していると、宇野弘蔵は考えた。佐藤優は、この宇野弘蔵マルクス経済学(宇野経済学)が優れているというわけだ。さて、もっとわかりやすい具体例をあげよう。たとえば、戦後日本で起きた高度成長を考えてみよう。農村の次男三男など、いわゆる余剰者」が人口が、高度成長とともに工場労働者として、東京、大阪、名古屋・・・などの大都市へ流れ込む。彼等は、売るものは何もないが、「労働力」を売ることだけは出来る。ここに、大量の「賃労働者」が誕生し、「賃労働者」を雇い入れた大企業では、高度成長が加速する。言い換えれば、この農村の過疎化と都市への人口集中は、大量の「賃労働者の誕生」と「資本主義経済の成熟」を意味している。(続く)




◼️ 佐藤優マルクス(4)-マルクス経済学における宇野弘蔵の三段階論について
佐藤優は、マルクス経済学、宇野経済学、宇野弘蔵の「三段階論」へと論を進めていく。つまり、宇野弘蔵マルクス経済学研究は、「原理論」「段階論」「現状分析」の三段階論から成り立っている。宇野弘蔵の三段階論とは何か。あるいは原理論とは何か?宇野経済学における段階論とは何か?マルクス資本論』とレーニンの『帝国主義論』は、どのような関係にあるのか?マルクス資本論』は、資本主義経済を、国家論抜きで、純粋に経済的論理のみで分析している。そこから、マルクスは、「商品」、あるいは「商品交換」を取り出す。資本主義経済は、商品によってなり立っており、商品交換の原理が貫いていると分析する。「労働力商品化」もその一つである。資本主義経済社会は、「労働力の商品化」によって独特の経済システムを形成している。言い換えれば、ここまでは、原理論である。資本主義経済がその論理を貫徹していくと、必然的に恐慌や格差を生み出し、資本主義経済は危機的事態を招く。そこで国家が登場して、資本主義経済は帝国主義的な段階へ舵を切る。資本主義経済は国内の矛盾を国外に転化する。植民地化である。レーニンの『帝国主義論』の段階である。つまり、資本主義経済は、マルクスが分析したような純粋な資本主義経済のまなではありえない。資本主義経済は歴史的に発展・変遷していく。特に資本主義経済に、国家(官僚)が介入することによって、資本主義経済は、重商主義(スペイン、ポルトガル)、自由主義(イギリス)、そして帝国主義(ドイツ)的段階を迎える。この資本主義経済の歴史的変遷を分析するのが、いわゆる宇野経済学の「段階論」である。(続く)