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山崎行太郎ブログ『毒蛇山荘日記』

哲学者、文芸評論家。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。元・東工大講師、元・埼玉大学講師。著書=『小林秀雄とベルグソン』『小説三島由紀夫事件』『それでも私は小沢一郎を断固支持する』『保守論壇亡国論』など。『マルクスとエンゲルス』を「月刊日本」に連載中。近刊予定に『ネット右翼亡国論』『佐藤優対談集』『柄谷行人とヘーゲルとマルクス』など。緊急連絡(レポート)は、メールフォームからお願いします。➡︎https://ws.formzu.net/fgen/S49964599

兄と兄嫁のこと。兄嫁は旧姓を「原口悦子」といった。今、何故、マルクスを読むのか? 私は、今、病気療養中だった兄が亡くなったために、鹿児島県の薩摩半島の山奥にある寒村へ帰省している。葬式も終え、することもなくボンヤリしている。大学やカルチャーセンターの講義予定があるのだが、全部休講にして 、実家に一人引きこもり、手元にある哲学関係の本や雑誌を拾い読みしている。 今回は、そいうわけで、いつもとは少し違ったスタイルで、私の個人的な体験や個人的な精神史について書くことにする。 兄嫁が「嫁入り道具」として

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兄と兄嫁のこと。兄嫁は旧姓で「原口悦子」といった。今、何故、マルクスを読むのか?

私は、今、病気療養中だった兄が、先日、亡くなったために、鹿児島県薩摩半島の山奥にある寒村へ帰省している。葬式も終え、することもなくボンヤリしている。大学やカルチャーセンターの講義予定があるのだが、全部休講にして 、実家(「毒蛇山荘」)に一人引きこもり、寝転びながら、手元にある哲学関係の本や雑誌を拾い読みしている。


今回は、そいうわけで、いつもとは少し違ったスタイルで、私の個人的な体験や個人的な精神史について、思いつくままに、断片的に書くことにする。


夏目漱石の『こころ』にこういう一節がある。
『記憶してください。私はこんな風にして生きてきたのです。』
私が、初めてこの一節を知ったのは、大江健三郎のエッセイを通じてであった。私は、大江健三郎が、この一節にこだわる理由がすべてわかるというつもりはないが、その一部だけでもわかるような気がする。


『こころ』の「先生」も、最高の知性派インテリであるが、何も残さず死んでいくところの、市井の、無名の一般庶民である。しかし、その死に際して、『記憶してください。私はこんな風にして生きてきたのです。』と遺書に書き残さざるを得ない。文学、あるいは文章の本質は、ここにある、と私は確信した。


山奥の寒村と言いながら、私の実家の本棚の奥には、兄嫁が「嫁入り道具」としてもってきた哲学関係の蔵書が、たくさん眠っている。兄嫁は、大学時代に読んだり集めたりした蔵書類を、捨てることが出来なかったのだろう。それとも子育てが終わった後、あるいは老後にでも、もう一度、哲学の勉強でもやるつもりだったのだろうか?


兄嫁=原口悦子は、兄と同じように、鹿児島県鶴丸高校を経て、立命館大学で哲学を専攻した賢い女性だった。指導教授は梅原猛で、「ニーチェ」に関する卒論を書いて卒業した、というのが自慢だった。したがって、理想社版の「ニーチェ全集」も、我が毒蛇山荘の書棚には揃っている。


才媛とか才女とかは他にたくさんいるだろうが、私の見るところ、兄嫁もまた、「才媛、才女」の一人だったと言っていいだろう。しかし、その持って生まれた才能や能力を、十分に発揮する前に、10年ほど前に、「膠原病」とかいう謎の病気で亡くなった。そして、今、兄も亡くなった。


私は、この二人のために、何かまともなものを書き残してあげたいと思うのだが、話が、うまくまとまらない。だから、思いつくままに断片的に書くことにする。






私とは同世代だったので、しかも私はまだ哲学専攻の大学院生だったので、兄嫁とは、政治や哲学について、夜遅くまで、よく議論したものだ。私の、現在の哲学的思考(『マルクスエンゲルス』など)の中にも、その頃の兄嫁との議論の影響が、少しは残っているかもしれない。私は、様々な意味で、この兄夫婦から強い影響を受けている。


兄嫁の蔵書の中に、マルクスの『資本論』やヘーゲルの『法の哲学』もあった。私は、実は、「哲学専攻」とは言っても、マルクスヘーゲルをほとんど読んでいない。学生時代から、つい最近まで、マルクスヘーゲルに関心はなかった。


私は、イデオロギーとしてのマルクス主義、あるいはイデオロギーとしてのヘーゲル主義というものが嫌いだった。当時の学生やインテリは、マルクスの『ドイツ・イデオロギー』や『経哲草稿』を、そのまま引用し、議論する人が多かった。廣松渉の影響で、「疎外論から物象化論へ」を議論する人も少なくなかった。


私が、マルクスを読むようになったのは、柄谷行人佐藤優の影響である。特に、佐藤優からの影響が強い。私は、佐藤優の刺激的な「マルクス論」を読むまで、マルクスを尊敬はしていたが、本格的に読むことになるとは思わなかった。


今、私の手元に、柄谷行人の『内省と遡行』と佐藤優の『私のマルクス』がある。当然のことだが、二人のマルクス論は同じではない。しかし、共通する点がないわけではない。二人共、マルクスの理論や体系に興味を持つ一方で、マルクスの思考力や思考法に興味を持っている。





(続く)





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山崎行太郎が、「月刊日本」に毎号、「マルクスエンゲルス」を連載しています。「月刊日本」3月号には、適菜収との対談「言葉を破壊する安倍政権」が掲載されています。⬇︎
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