哲学者=山崎行太郎のBlog『毒蛇山荘日記』

哲学者、文芸評論家。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。元・東工大講師、元・埼玉大学講師。著書=『小林秀雄とベルグソン』『小説三島由紀夫事件』『それでも私は小沢一郎を断固支持する』『保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論』など。『マルクスとエンゲルス』を「月刊日本」に連載中。近刊予定に『佐藤優対談集』『柄谷行人とヘーゲルとマルクス』など。緊急連絡(レポート)は、メールフォームからお願いします。➡︎https://ws.formzu.net/fgen/S49964599

「勝ち組」共同幻想論。 人間には、自分たちも「勝ち組」になりたいという心理や欲望はあるだろうことはよくわかるが、現実的には明らかに「負け組」であるにもかかわらず、自分たちこそ「勝ち組」の一員であると思い込みたい心理や欲望もあるらしいことは、あまりよくわからない。「負け組」であるという悲惨な現実を、一時的にでも忘れたい、そして「勝ち組」幻想に酔いたいという心理や欲望が、人間の深層心理に潜んでいるのだろうか?〜〜〜(下へ続く。本文を読みたい人は、ここをクリック。)

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「勝ち組」共同幻想論

人間には、自分たちも「勝ち組」になりたいという心理や欲望はあるだろうことはよくわかるが、現実的には明らかに「負け組」であるにもかかわらず、自分たちこそ「勝ち組」の一員であると思い込みたい心理や欲望もあるらしいことは、あまりよくわからない。「負け組」であるという悲惨な現実を、一時的にでも忘れたい、そして「勝ち組」幻想に酔いたいという心理や欲望が、人間の深層心理に潜んでいるのだろうか?


私が、政治や政治家に興味を持っているのは、そこに「人間存在論」の問題が露骨に現れているからだ。「人間存在論」の問題とは、「人間の弱さ」の部分といってもいい。たとえば、今回の解散総選挙騒動で、主義主張を変えてでも、選挙で勝ち残ることを目指して、民進党から「希望の党」を移った議員たちである。明らかに「人間の弱さ」を露呈させた場面であった。しかし、もちろん私は、それを暴き出して、嘲笑したいわけではない。人間は、パスカルの言葉を持ち出すまでもなく、そもそも弱いものである。


ところで、昨今、テレビや新聞紙など、論壇やジャーナリズムの世界に、あまり売れていない漫画家や漫才師、落ち目のタレントやお笑い芸人、そしてとても大企業とは言えないような中小企業経営者などによる、薄っぺらな体制迎合的「安倍政権擁護論」や「野党共闘蔑視論」が目立つ。彼らを見て、「勝ち組」と思うものはそんなにいないだろうと思うが、彼等の脳内では、現実は逆のようだ。彼等はさかんに「勝ち組」幻想を振りまきつつ、「負け組」バッシングを繰り返している。


現実には「負け組」であるにもかかわらず、「勝ち組」幻想に酔うことができる。現実には政府や権力者から無視され、見捨てられているにもかかわらず、政府や権力者を擁護し、賛美する。私には、そこが面白い。人間存在の面白さ、人間存在の不可解さである。もちろん逆も成り立つ。現実には「勝ち組」であるにもかかわらず、共産党や弱小野党を支持し、賛美するという具合に。


そこで、私が、連想するのは、吉本隆明の『マチウ書試論』の一節である。そこで、吉本隆明は、吉本隆明の根本思想とも言うべき「関係の絶対性」論を展開している。

人間は、狡猾に秩序をぬってあるきながら、革命思想を信じることもできるし、貧困と不合理な立法をまもることを強いられながら、革命思想を嫌悪することも出来る。自由な意志は選択するからだ。しかし、人間の情況を決定するのは関係の絶対性だけである。ぼくたちは、この矛盾を断ちきろうとするときだけは、じぶんの発想の底をえぐり出してみる。そのとき、ぼくたちの孤独がある。孤独が自問する。革命とは何か。もし人間の生存における矛盾を断ちきれないならばだ。(吉本隆明『マチウ書試論』)


吉本隆明がここでいっていることは、人間の意志による決断や判断は、あまり、^_^当てにならないということである。つまり、その人間の置かれた情況=現実と、その人間の思想とは関係ないということだ。そこで、重要なのは人間の意志を超えた「関係の絶対性」だというわけだ。



秩序にたいする反逆、それへの加担というものを、論理に結びつけ得るのは、ただ関係の絶対性という視点を導入することによってのみ可能である。


たとえば今回の解散総選挙における立憲民主党枝野幸男らの政治判断や決断は、素晴らしいものと絶賛されている。その結果、選挙民の支持によって選挙に勝ったように見える。自分たちの主義主張を貫いたというわけである。しかし、どうだろうか。本当は、自分たちの自由意志による判政治断を貫いたわけではない。


希望の党」に参加した者たちも、「希望の党」に参加したかったが、小池百合子に拒否され、排除されたために、新党=立憲民主党の結成,、新党の立ち上げに追い込められた者たちも、関係の絶対性に振り回されただけである。そこには自由意志はない。あるのは関係の絶対性である。



小林秀雄は、そういう関係の絶対性を「宿命」と呼んだ。フロイドは、「無意識」と呼んだ。自由意志とは呼ばなかった。人間の思考や判断を決定するのは関係の絶対性である。



敢えて言うならば、小池百合子前原誠司小沢一郎だけが、自由意志による政治判断をを貫こうとして大失敗した、ということになる。私が、彼等の「大失敗」に関心を持つのはそいう理由がある。
(続く)

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