文芸評論家=山崎行太郎のブログ『毒蛇山荘日記』

文芸評論家。哲学者。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。東工大、埼玉大学教員を経て現職。著書=『小林秀雄とベルグソン』『小説三島由紀夫事件』『保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』『曽野綾子大批判 』『エセ保守が日本を滅ぼす 』『最高裁の罠 』など。『マルクスとエンゲルス』を「月刊日本」に連載中。近刊予定に『小説・南洲伝』『 小林秀雄とマルクス』『毒蛇山荘日記(1 ) 』など。

『南洲伝』覚書(3)ー明治天皇と西郷南洲。 トンデモ歴史学者=呉座勇一は、歴史学者は信用出来るが、歴史的史料の読み方の厳しい訓練を受けていない「 在野の歴史研究者 」は信用出来ないと言うが、果たしてそうだろうか。むしろ、「 歴史学者」こそ、文献や史料に、簡単に騙されているのではないか。西郷や征韓論論争、いわゆる「明治六年政変 」に関する文献や史料を探っていくと、多くの「 歴史学者」が、史料の読み方で、初歩的な間違いをしていることが分かる。歴史学者や歴史作家たちの「 通説 」では 、岩倉使節団の一人

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『南洲伝』覚書(3)ー明治天皇西郷南洲

トンデモ歴史学者=呉座勇一は、歴史学者は信用出来るが、歴史的史料の読み方の厳しい訓練を受けていない「 在野の歴史研究者 」は信用出来ないと言うが、果たしてそうだろうか。むしろ、「 歴史学者」こそ、文献や史料に、簡単に騙されているのではないか。西郷や征韓論論争、いわゆる「明治六年政変 」に関する文献や史料を探っていくと、多くの「 歴史学者」が、史料の読み方で、初歩的な間違いをしていることが分かる。歴史学者や歴史作家たちの「 通説 」では 、岩倉使節団の一人だった大久保利通が、緊急帰国してみると 、政府は、「 征韓論で沸き返っていた・・・」「大久保利通はそれに怒って、岩倉使節団本隊の帰国を待って、征韓論潰しの政治工作に着手した・・・ 」ということになっている。しかし、それを実証する明確な証拠文献や史料はない。明らかに、歴史学者たちは、間違った史料からの「 孫引き 」や「 孫引きの孫引き」を繰り返している。西郷が、征韓論論争に敗れて鹿児島へ「 帰国 」する直前、「 最後の挨拶 」をするために大久保邸を訪問したという、「 伊藤博文証言」に基づく作り話と同様、作り話の可能性が高い。つまり、国内では「 征韓論で沸き返っていた ・・・」「大久保利通はそれに怒って、岩倉使節団本隊の帰国を待って、征韓論潰しの政治工作に着手した・・・ 」という事実を実証する文献も史料もない。わずかに、それらしい記述が、勝田孫弥の『大久保利通伝 』(1911 )や黒龍会編の『 西南紀伝』(1909 )あるだけである。しかし、これらは一次史料ではなく二次史料である。黒龍会編の『 西南紀伝』の記述や勝田の記述が正確だという明確な根拠はない。「 見て来たような嘘」の可能性が高い。もし、大久保利通の帰国直後、「 征韓論で沸き返っていた・・・ 」とすれば、当事者たちの日記や手紙などに、その痕跡が残っているはずである。西郷や大久保利通の残した日記や手紙は言うまでもなく、板垣退助大隈重信等、当時の「参議 」たちの日記や手紙にも、その種の記述はない。






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