哲学者=山崎行太郎の『毒蛇山荘日記』

哲学者、文芸評論家。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。東工大、埼玉大学教員を経て現職。著書=『小林秀雄とベルグソン』『小説三島由紀夫事件』『保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』『曽野綾子大批判 』『エセ保守が日本を滅ぼす 』『最高裁の罠 』など。『マルクスとエンゲルス』を「月刊日本」に連載中。近刊予定に『小説・南洲伝』『 小林秀雄とベルグソンとマルクス』『毒蛇山荘日記(1 ) 』など。

岩田温『偽善者の見破り方 』を読む。 岩田温氏の新著『偽善者の見破り方 』を読んだ。岩田氏は、彼が、まだ早稲田大学政治経済学部の学生だった頃からの知り合いなので、どうしても点数が甘くなりそうになるが、そういうことを差し引いたとしても、なかなか鋭い、情勢論的な政治評論集になっている。岩田氏は、一応、「 保守派」の政治学者ということになっているが、いわゆる、集団でしか物の言えない最近の「保守派文化人 」( 私は、『 保守論壇亡国論』や『ネット右翼亡国論』『 エセ保守が日本を滅ぼす』等で批判した? )とは、

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岩田温『偽善者の見破り方 』を読む。

岩田温氏の新著『偽善者の見破り方 』を読んだ。岩田氏は、彼が、まだ早稲田大学政治経済学部の学生だった頃からの知り合いなので、どうしても点数が甘くなりそうになるが、そういうことを差し引いたとしても、なかなか鋭い、情勢論的な政治評論集になっている。岩田氏は、一応、「 保守派」の政治学者ということになっているが、いわゆる、徒党を組んで集団でしか物の言えない最近の「保守派文化人 」( 私は、『 保守論壇亡国論』や『ネット右翼亡国論』『 エセ保守が日本を滅ぼす』等で批判した? )とは、一線を画している。本書は、情勢論的な評論集だが、しかし、並の情勢論ではない。岩田氏の議論には、常に原理論的思考と存在論的思考が伴なってる。自分の頭で考えたことが、わかる。保守派ならこう言うだろうとか、保守派ならこう考えるだろうというような、予定調和的な、ステレオタイプな「 保守派」の評論集ではない。リベラル(左派 )を批判し 、保守を擁護するという体裁をとっているが、それぞれの論考は、分析が独自で、深い。特に憲法改正に関する議論には、保守派というカテゴリーを超えた、学問的にも緻密な議論を展開している。憲法制定過程の問題で、よく出てくる「 幣原喜重郎」を批判的に論じた文章は 出色である。江藤淳が主張した「 押し付け憲法論 」に対して、左派( 護憲派)勢力が、最近、言い出した「 幣原喜重郎主導説」を、岩田氏は、緻密なテクスト・クリテイークと深い考察の上で、木っ端微塵に打ち砕いている。幣原喜重郎は「 嘘 」をついている、と。 凡庸な保守派にはできないことだろう。マッカーサー幣原喜重郎回顧録を鵜呑みにしている左派( 護憲派)は反論できるだろうか。
もう一つ、私が注目した文章がある。それは、「『 反知性主義』 =『無知 』ではない」という文章だ。岩田氏は 、田中角栄を具体例として上げながら、「 反知性主義 」は、学歴や肩書き抱けを振り回すだけの似非知性主義を批判し、乗り越えようとするホンモノの知性主義だと、言っているように見える。物言わぬ大衆や民衆は、知性派気取りの左派政治家や左派文化人の正体( 偽善者の正体 )を見抜いているのだ。
最近、保守派は、「 LGBT騒動 」や「 百田尚樹『日本国紀 』騒動」などで、保守という仮面のメッキが剥がれつつある。そろそろ「 保守派」も賞味期限切れだ。世代交代が必要だろう。岩田氏の言論活動に期待したい。
( 続く)


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岩田温『偽善者の見破り方 』(Amazon )
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