文芸評論家=山崎行太郎のブログ『毒蛇山荘日記』

文芸評論家。哲学者。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。東工大、埼玉大学教員を経て現職。著書=『小林秀雄とベルグソン』『小説三島由紀夫事件』『保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』『曽野綾子大批判 』『エセ保守が日本を滅ぼす 』『最高裁の罠 』など。『マルクスとエンゲルス』を「月刊日本」に連載中。近刊予定に『小説・南洲伝』『 小林秀雄とマルクス』『毒蛇山荘日記(1 ) 』など。

『南洲伝』覚書(31)ー大久保利通暗殺事件 ■不思議なことに、西郷死後、1年もたたないうちに、「西郷殺し」の主犯とも言うべき大久保利通が暗殺され、その後、川路利良も病死している。「因果応報」というものだろうか。大久保利通を紀尾井坂で、待ち伏せし、出勤途中の大久保利通を襲撃し、斬殺したのは、石川県士族・島田一郎等であった。島田一郎等は、不意を襲ったわけではなかった。暗殺予告を、前もっておこなったあげく、斬姦状をかき上げ、それを所持し、また一方では、新聞各社へ、暗殺事件当日、到着するように、送りつけたあげく

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『南洲伝』覚書(31)ー大久保利通暗殺事件

■不思議なことに、西郷死後、1年もたたないうちに、「西郷殺し」の主犯とも言うべき大久保利通が暗殺され、その後、川路利良も病死している。「因果応報」というものだろうか。大久保利通を紀尾井坂で、待ち伏せし、出勤途中の大久保利通を襲撃し、斬殺したのは、石川県士族・島田一郎等であった。島田一郎等は、不意を襲ったわけではなかった。暗殺予告を、前もっておこなったあげく、斬姦状をかき上げ、それを所持し、また一方では、新聞各社へ、暗殺事件当日、到着するように、送りつけたあげく、ある意味では、「正々堂々」と襲撃したのであった。■正直に言うと、私は、西郷の「死に様」は知っていたが、大久保利通の「死に様」については、長い間、知らなかった。大久保利通は、西郷の死後も、長生きし、独裁的権力を握り、権勢をふるい続けたのだと思っていた。「大久保利通暗殺事件」を知った時、私は、新たな衝撃を受けた。「因果応報」などという言葉を、私は信じているわけではないが、何故だか、この言葉が、頭から離れなくなった。しかも大久保利通だけではなかった。「西郷殺し」のもう一人の主犯とも言うべき川路利良もまた、西郷の死だけではなく、西郷殺しの共犯者とも言うべき「大久保利通暗殺事件」を知り、心労のあげく痩せ衰え、静養をかねて、フランスに外遊していたが、そのフランスで発病、緊急帰国の途中、船上で病没している。西郷の死から二年後だった。■「西郷殺し」に加担し、薩摩藩系の「勝ち組」となった東京残留組は、元をたどれば、西郷の仲間や後輩たちであり、西郷に恩義を感じないものはなかった。彼らは、「勝ち組」として、「我が世の春」を謳歌するどころか、心理的動揺は、小さくなかった。つまり、「西郷殺し」の後、心身ともに動揺・狼狽したのは、大久保利通川路利良だけではなかった。■西郷の実弟西郷従道が、「大久保利通暗殺事件」の現場に、一番先に駆けつけて、敏速に事後処理をしたということは、前にも書いたが、その西郷従道も、西郷の死を聞いて、かなり動揺し、職を辞し、隠棲すると言い出している。それを引き留めたのが大久保利通だった。西郷従道大久保利通等は、心理的動揺をしずめるために、「西南戦争西郷隆盛が中心の武装蜂起ではない。西郷隆盛は騙されたのだ。中心人物は桐野利秋篠原国幹等である。」と思い込もうとしていた。しかし、そう思い込もうとしても無理だった。西南戦争は、明らかに、西郷中心の武装蜂起であり、西郷の戦争であった。とは言いながら、今でも、西南戦争の中心人物は、桐野利秋等であった・・・という考えは、司馬遼太郎の『翔ぶが如く』を筆頭に根強い。私は、それは、政府側のプロパガンダであり、御用ジャーナリズムや御用学者が主導する「官製情報工作」でしかないと思う。西南戦争においては、全国的武装蜂起の連鎖はなかったにしろ、西南戦争に共感し、参加=参戦したいと思ったものは、全国津々浦々にいた。それが、「西郷人気」「西郷ブーム」の背景である。「大久保利通暗殺事件」の島田一郎等もそうであった。
( 続く)







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