文芸評論家=山崎行太郎のブログ『毒蛇山荘日記』

文芸評論家。哲学者。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。東工大、埼玉大学教員を経て現職。著書=『小林秀雄とベルグソン』『小説三島由紀夫事件』『保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』『曽野綾子大批判 』『エセ保守が日本を滅ぼす 』『最高裁の罠 』など。『マルクスとエンゲルス』を「月刊日本」に連載中。近刊予定に『小説・南洲伝』『 小林秀雄とマルクス』『毒蛇山荘日記(1 ) 』など。

『南洲伝』覚書( 33)ー大久保利通暗殺事件 ■明治十一年五月十四日。大久保利通は、この日の朝、8時頃、馬車で家を出た。馬丁が一人先行し、紀尾井坂に差しかかるあたりで、島田一郎等が待ち伏せしていた。馬丁が坂を駆け上がって行った。その後に大久保利通の馬車が・・・。それを見ると、島田一郎等、六人が、駆け寄って、馬車の前に立ちはだかった。同時に、先ず、馬の前脚を斬った。馬は、大きく飛びあがった。馬車に飛び乗って、ドアをたたいた。馬の手綱を持っていた中村太郎が、慌てて、馬車から飛び降りた。しかし、中村は、無防備

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『南洲伝』覚書( 33)ー大久保利通暗殺事件

■明治十一年五月十四日。大久保利通は、この日の朝、8時頃、馬車で家を出た。馬丁が一人先行し、紀尾井坂に差しかかるあたりで、島田一郎等が待ち伏せしていた。馬丁が坂を駆け上がって行った。その後に大久保利通の馬車が・・・。それを見ると、島田一郎等、六人が、駆け寄って、馬車の前に立ちはだかった。同時に、先ず、馬の前脚を斬った。馬は、大きく飛びあがった。馬車に飛び乗って、ドアをたたいた。馬の手綱を持っていた中村太郎が、慌てて、馬車から飛び降りた。しかし、中村は、無防備であり、斬り捨てられ、その場で即死した。大久保利通は馬車の中で、書類を読んでいたが、馬車から引き摺り出された。右腕は、島田一郎が掴んでいた。そこへ、六人が一斉に斬り掛かり、大久保利通は血だるまになり、即死した。大久保利通の死を確認すると、島田一郎等は、死骸はそのままにして、、宮内省へ向かって駆けて行った。彼等は、宮内省に着くと、「我々が、大久保利通を殺害した・・・」と門衛に告げた。西郷の死から一年も経っていなかった。

■島田一郎等は「斬奸状」を持っていた。島田一郎等の「斬奸状」には、どういうことが書かれていたのか。司馬遼太郎は、『翔ぶが如く』で、荒唐無稽な内容といって、無視しているが、そうだろうか。私は、そうは思わない。そもそもこの「斬奸状」を書いたのは、島田一郎ではなく、金沢藩士だった陸義猶( くが、よしなお)である。陸義猶は、金沢藩を代表して西郷南洲のもとに遊学し、西郷精神に深く共鳴した思想家である。金沢藩へ帰国後は、「忠告社」を組織し、思想運動を開始している。その一員が島田一郎だった。金沢の「はぐれ者」が 、大久保利通暗殺事件を起こしたわけではないのだ。陸義猶は、板垣退助の「自由党」とも関係があった。島田一郎の妻は、水戸藩武田耕雲斎の娘だったともいう。島田一郎にせよ、陸義猶にせよ、ただの「跳ね上がり者」でも「はぐれ者」でもない。彼等の「斬奸状」が、司馬遼太郎が言うように、事実誤認に基づくくだらないものであるはずがない。島田一郎等は、その「斬奸状」を、公開すべく新聞各社に、前もって送りつけていたが、新聞各社は、政府の怒りと弾圧を怖れて、新聞掲載を見送った。唯一掲載に踏み切った「朝野新聞」は、即日発行停止になった。政府は、島田一郎等の「斬奸状」が公表され、その大久保利通批判、つまり政府批判の中身が、国民の間に浸透することを恐れたのだろう。司馬遼太郎は、明治政府側の視点に依拠しているから、この「斬奸状」を正当に評価できないのである。

( 続く)

(写真は台東区谷中霊園にある島田一郎等、六名の墓。)





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