哲学者=山崎行太郎のブログ『毒蛇山荘日記』

文芸評論家。哲学者。慶應義塾大学大学院(哲学)修了。東工大、埼玉大学教員を経て現職。著書=『小林秀雄とベルグソン』『小説三島由紀夫事件』『保守論壇亡国論』『ネット右翼亡国論 』『曽野綾子大批判 』『エセ保守が日本を滅ぼす 』『最高裁の罠 』など。『マルクスとエンゲルス』を「月刊日本」に連載中。近刊予定に『小説・南洲伝』『 小林秀雄とマルクス』『毒蛇山荘日記(1 ) 』など。

「毒蛇山荘」近況報告

「毒蛇山荘」近況報告

一昨夜、地元の「青年団」の有志たちと呑み会だった。青年団と言っても、ほぼ全員が、70前後で、世間的には「老人会」とでも呼ぶのが実情だろうが、私には、あくまでも、「地元の青年団」という印象と感覚だった。皆、若々しく、元気がいいのだ。実は、大丸小学校(おおまる)の構内に建てられた「公民館」の館長という人物と不思議な出会いをした。その詳細ははぶくが、Mさんというその人物は、南九州市長選挙に立候補して、現市長に、僅差で敗れたという人物だった。以前は、南九州市議会議長だったらしい。その「公民館館長」のMさんと立ち話をしているうちに、「毒蛇山荘」で、呑み会をすることになったというわけである。当日、Mさんは、予定時間より、一時間ほど早くやってきた。二人で話したいことがある 、と。その時、持参してきたのが、「おおまる小学校創立100年記念誌」のような記念写真集だった。「知っている人がいますか?」というから 、ページをめくっていくと、なんと、私の母の写真が・・・。「奉安殿」(天皇陛下の写真を奉納してある建物)の前に、先生と生徒たちが、整然とならんで座っている。生徒たちに取り囲まれて、写真の中央で、かしこまっているのが、若き日の母だ。「昭和17年、佛淵キミ先生と生徒たち・・・」との説明がある。「佛淵(ほとけぶち)」とは、母の旧姓である。おそらく、この写真を提供したのは、母自身だろう。この写真は、母の古いアルバムで見たことがある。が、その後、母とは何回も会い、話し込むこともしばしばだったはずなのに 、このことについて、ひとことも聞いていない。それとも、母の教え子の一人が保存していて、提供したのだろうか。それなら、こんなところに、自分の写真が掲載されているなんて知らずに、母は死んでいったということになる。そうかもしれない。そもそも、「おおまる小学校創立100年記念誌」のような記念写真集を、私が手にするのも初めてだ。私が、自分のことに熱中していた間に、私の知らないところで、歴史は動いていたのだ。「蕩児、故郷へ帰る」である。その奉安殿の写真は、何処かにあるのだが、残念ながら、見つからない。確か、blog(「毒蛇山荘日記1」)に、「奉安殿」の写真が珍しかったので、一度、載せたこともあるのだが・・・。全国、津々浦々の小学校にあった奉安殿は、戦後、米占領軍の命令で、すべて、破壊されたと聞いている。私が、おおまる小学校に通っていた頃は、土台のコンクリートだけが、かすかに残っていた。私は、そのコンクリート破片で、大怪我をしたことがあるので、よくおぼえているが、その上に、奉安殿が建っていたとは、知らなかった。

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